R2年 小学生クラス説明会

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園長からのメッセージ

シリーズ21 2016年7月発信


子どもの可能性を最大限に引き出す

モンテッソーリ教育を理解するためには、また、実践の場がある先生方にとっては「意識改革」が必要です。
何に対して意識を改革するかといえば、まずは「子ども」はどんな存在なのかという「児童観」に対してです。一般的に、私達大人は子どもの有能さを過小評価しています。
教育現場の形態が教師を中心とした「一斉画一」方式だと子どもの有能さはなかなか現れてきません。もっと子どもに「自由」を与えてあげることで、その自由の中で私達が気付きもしないような発想であったり、行動であったりを子どもは見せてくれることがあります。
自由を与えると子ども達は自分の好きなことに集中して取り組むようになります。この、「自分の好きなこと」の中に子どもの才能や有能さが発揮される鍵があります。
私がお話しするよりももっと説得力のある文章が先日新聞に掲載されました。7月2日土曜日の朝日新聞です。そのまま記事を掲載します。


絵のために、タコ料理1ヶ月作ってくれた母 さかなクン
子どものいいところを伸ばしたいと思う親は多いはず。東京海洋大名誉博士・客員准教授のさかなクンは、幼い頃からの好きなことを究め、豊富な知識と絵で魚の魅力を伝え続けています。母の支えで始まった「お魚ライフ」。さかなクンとお母さんに、それぞれ話を聞きました。(文・大井田ひろみ、写真・佐藤正人)

小学2年のとき、クラスの男子の落書きに、衝撃を受けた。うねうねした長い足に丸い頭。これは何? 図書室で調べ、タコとわかった。食べたことはあるのに、こんな姿だったとは。本物を見たい。
 ぶつ切りでなく丸ごとのタコを母に買ってもらった。その日から考えるのはタコのことばかり。図鑑や写真集などでタコを探す。夕食は毎日のようにタコをねだる。絵を描くことが好きで、タコを描きたかった。母は嫌な顔ひとつせず、1カ月近く味付けを変えてタコ料理を作ってくれた。

水族館の閉館までタコ観察
 生きているタコを見たくなり、母に日曜に水族館に連れて行ってもらうようになった。タコの水槽から離れない。タコはタコつぼに隠れて、1日かけても少ししか姿は見えない。「でも目は見えます。黄色くて、表情があってかわいいんですよ」。たまに足が出てきたら「動いた! なんでそれぞれの足が違う動きをするんだろう」と大興奮。母は「タコって面白いんだね。お母さんもタコが気になってきた」と言ってくれた。「タコの魅力に共感してくれ、感動を共有でき、すごくうれしかった」
 閉館までいても、タコが姿を現さずため息をついた日。「残念だったわね。でも、魚はほかにもいるのよ」と、母は下敷きを買ってくれた。色々な魚があった。「こんなお魚もいたんだ、って興味がわきました。お魚ライフの始まりです」
 母と魚屋に行くと、ほしい魚は1匹丸ごと買ってくれた。角度を変えてはウロコの数、ひれの形、色の濃淡など観察し、絵にした。「母が『すごい、紙から飛び出て泳ぎ出しそう』とほめてくれるのがうれしくて、また喜んでくれる絵を描きたくなりました」。その後は自分で料理に。さばき方は魚屋で見て覚えた。

「あの子はそれでいいんです」
 小学校では、授業中も休み時間も魚の絵を描いていた。授業についていけず、家庭訪問で担任に言われた。「絵は素晴らしいけれど、勉強もするようにしてください」。母は「あの子は魚と絵が好きだからそれでいいんです」。将来本人が困ると言われても、「成績が優秀な子もそうでない子もいていい。みんな一緒ならロボットになっちゃいます」。「絵の先生に習っては」との提案には「先生のクセがついてしまいます。好きなように描いてほしいのです」と答えた。母の口癖は「命がとられるわけじゃないんだから」。失敗しても大丈夫だと安心できた。
 好きなことを見つけた子どもたちには「夢中なことを大切に」と伝えたい。「自分もギョクッと落ち込むこともありますが、お魚の新たな面を知って感動すると、また頑張れます。感動は共有できるんです。『これが好き』という気持ちや感動の表現方法は一人一人違います。自分は絵ですが、それぞれのやり方で表現できたら素晴らしい」

さかなクンのお母さんに聞く 「タイヤの溝まで再現、個性生かそうと」
 ハイハイしている頃から絵を描くことが好きでした。幼い頃、夢中だったトラックを見ると、家ですぐ絵にします。ヘッドライトの形や位置など、頭にインプットされていました。タイヤの溝まで再現するのを見て、この子は違った感性で物事を捉える子だと感じました。だから、個性を生かしてあげたかった。絵を習わせず、好きに描かせたのも、息子にとってこれでいいのかと悩みましたが、結果的に様々なタッチの絵が描けるようになり、ああ良かったと思います。
 息子のおかげで、知識がなかった私も魚に興味を持ち、色々と教えてもらいました。水族館でタコが動くと全身で感動を表す息子と一緒に、私も「すごい」と感激しました。親は迷いながら、この選択があっていてほしい、という気持ちだと思います。初めから決めつけず、子どもが興味があることをよく聞きながら、自分流にやっていけばいいのだと思います。
 車の中でも息子が、自分の名刺一枚一枚にサインをしていることがありました。親としては健康が心配で、疲れているのだから寝たらどうかと言いました。そうしたら「受け取った人には一生残るから、一枚でも雑に描いたらだめ」と言われました。皆さんの笑顔に元気をもらっているのだと思います。

さかなクン
東京海洋大名誉博士・客員准教授。2010年には、絶滅とされていたクニマスの生息確認に貢献。7月22日に「さかなクンの一魚一会~まいにち夢中な人生!~」(講談社)発売予定。

いかがですか。どのくらいのおかあさんが
『授業についていけず、家庭訪問で担任に言われた。「絵は素晴らしいけれど、勉強もするようにしてください」。母は「あの子は魚と絵が好きだからそれでいいんです」。将来本人が困ると言われても、「成績が優秀な子もそうでない子もいていい。みんな一緒ならロボットになっちゃいます」。「絵の先生に習っては」との提案には「先生のクセがついてしまいます。好きなように描いてほしいのです」』
と言えるでしょうか。

どうやら私達には意識改革と常識や固定観念を疑う姿勢も必要なようです。私達はどうしても「成果主義」もしくは「一本道」という固定観念を持っています。
一本道とは規定のコースを走り、すべて正しくやればあとの人生は安泰という考え方です。 私達の多くは「一本道」という考えに囚われており、教育の目的は偏差値の少しでも高い大学に入り、安定した会社に就職することと思い込んでいます。
しかし、実際には学歴はないけれども持って生まれた才能を発揮し、私達に喜びや感動を与えてくれる人達は数限りなく存在します。人生は一本道ではなくもっと絡み合っています。 私達は自分の才能を追求する中で、成長の助けとなる周囲の者と共生的に生きています。人間社会は才能の多様性によって成り立っているのです。一部の単一の能力によってでは決してありません。
モンテッソーリ教育現場は異年齢縦割で早くできるようになることを目指すのではなく、それぞれのペースでできるようになることを援助します。これは成果主義ではありません。モンテッソーリ教育現場には物的環境としての様々なモンテッソーリ教材類が整備されています。しかし、物的環境と同じく人的環境も大きく子どもの育ちに影響を与えます。
「うちの子はこれでいい」と言い切ることのできる芯を持った人的環境が子どもには必要です。

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シリーズ 12 : 2012年09月 8月31日はマリア・モンテッソーリのお誕生日です
シリーズ 11 : 2012年05月 モンテッソーリは世界の共通語
シリーズ 10 : 2011年12月 「子ども中心」と「子どもの言いなり」の違い
シリーズ 9 : 2011年09月 アジアのモンテッソーリの仲間との再会
シリーズ 8 : 2011年05月 東日本大震災に思うこと
シリーズ 7 : 2011年01月 幼児期に身に付けなければいけこと
シリーズ 6 : 2010年06月 サッカーとモンテッソーリ教育~子どもに対する心得~
シリーズ 5 : 2010年02月 春の訪れと子どもの巣立ち
シリーズ 4 : 2009年12月 男の子と女の子の違い
シリーズ 3 : 2009年09月 Positive Thinking (前向きな発想)
シリーズ 2 : 2009年06月 自己教育力
シリーズ 1 : 2009年04月 子ども達の生きる社会
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